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邦寿の赤裸々な日常 第3号

1999.4.25「伝の会 ちょんまげ倶楽部 春の集い」レポート

(伝の会のファンクラブ「ちょんまげ倶楽部」の会員の皆様を対象に、歌舞伎のかつらを結う床山、谷川秀雄さんをお招きしての結髪実演見学会が催されました。)
 99年4月25日ちょんまげ倶楽部のイベントで、日暮里駅前ビル5Fにある 邦楽ジャ−ナル(月刊「邦楽ジャ−ナル」を発行している出版社)直営の会員制の店「和音(わおん)」という場所で公演をした。

 今回のゲストは、床山の谷川さんでした。そこでまず床山というのは? 俳優さん方の頭の形に合わせた、台金(だいがね)というものに、みの、とよばれる人毛を束ねたものを貼りあわせた物(ものばっかりだな)と、そこまでは、かつら屋さんという方が作りまして、そのザンバラ髪のかつらを登場人物の身分、年令、商売等々をふまえた上に、役者さんの顔に合うようにゆいあげる 人を床山さんというのだそうです。歌舞伎の女形さんの事を「おやま」といい、そのおやまの髪を結う床屋さんだから「床山(とこやま)」となったという説と、衣装の間、小道具の間、何々の間と言われていた中で、床屋の間(とこやのま)から「床山(とこやま)」となったという2つの説があるそうです。

そして谷川さんという方は、高校を卒業後、名人と言われる宮尾金春という師匠に師事して女形さんのかつらを主として結い上るのですが、立役の髷も時々なさっているので二人分仕事をしている方というわけなんですね。というのは、床山さんは、立役さん(男役)と 女形さん(女役)と完全に分かれているらしいんです。長唄の唄方と三味線方のようにね。 そして油(びんつけ油)をあまり使用しないで結い上げる為、自然の髪のような、なんとも いえない色気が感じられる髷なんですネ。

そんな谷川さんが今回お客さん達に囲まれるよ うにして、本当に目の前で芸者さんの、かつら、を結い上げてくれました。途中何度もお 客さん達からオ〜オ。という声があがっていました。そして伝の会の二人はその間約40分 静かにBGMとして、色町に使用される合方(三味線だけの音楽)を弾いていたわけであり ます。三味線の音を聞きながら床山さんの仕事を見る。まるで歌舞伎の楽屋にいるようだ ったでしょうね。

終了後質問コ−ナ−をもった所色々なお声がありました。「歯が丈夫じゃないと床山さんはできませんね! かつらを一枚結い上げるとギャラはどのくらい? 髷を結い上げる順番は江戸と上方では違う? 使用している道具はなに? そしてどのくらい使用していられるの?」などなど、止まるところを知らない程でした。

始めてから結い終わるまでおよそ40分。明かりのあて方が違っていたらしく、谷川さんから「とてもやりにくかったよ」とおしかりを受けましたが、普段は一枚一枚のかつらをもっと丁寧に仕上げるそうで、すると約1時間。それを公演(お芝居)のときは、出し物にもよりますが30枚から50枚という数のかつらを結い上げるのですから大変な時間がかかるわけなんですネ。

結局お客様の反応は「とてもおもしろかった」というお声ば かりで伝の会としては鼻高々。またいつか谷川さんに来てもらってその時は、四谷怪談の お岩さんの仕掛け髷を見せていただこうと思っます。又その他ちょんまげライヴとしては 、衣装さんだとか、狂言方さん、大道具さん等々もお呼びして色々なお話しや、技を見せ て頂こうと思ってます。

そして次の日、谷川さんの道具を劇団前進座の床山部屋に返しに行った時です。
邦『谷川さん昨日はありがとうございました』
谷『いえいえどうもこちらこそ・・』
邦『いかがでした・・』
谷『いろんな人がいるもんだネ〜』
ですって! 

レポーターは 杵屋邦寿 でした


同日の鉄九郎の日記「青?裸々な日常」から抜粋

 伝の会公式ファンクラブであるちょんまげ倶楽部の会員数は現在300余人。去年(1998)の8月に結成したばかりの倶楽部だが、これから色々な企画も増え、僕としても楽しみな倶楽部だ。

 今回はその初の試みである「春の集い」というものを企画した。歌舞伎の舞台裏を支え る、床山(とこやま)さんの仕事を覗いてみようというものだ。実際に芸者のアタマ(か つら)を結う作業をしてもらう。そこに我々が廓(遊郭)に関する合方(曲)を弾く、倶 楽部会員はそれを囲んで観て聴いて、と、なんとすばらしい企画であろうか。会場の都合 もあり限定60名しか味わうことが出来ないが、価値のあるのだと思う。 正午、「和音」着。会場づくり。細長いスペースのほぼ中央に床山さんの作業場をつくり 、奥のステージを伝の会の居場にする。

 そうそう、「和音」という会場についてだけど、僕らもちょこちょこお世話になっている 雑誌「邦楽ジャーナル」が作ったスペースでビールもワインもジュースもコーヒーもあっ て、軽食もとれる洒落た空間。なおかつ、琴、三味線、ギター・・・etcと楽器が置いて あって自由に演奏ができるという今までなかったようなスペースで、4月1日にオープン したてのホヤホヤ。そして今回の「春の集い」が初のイベントというからおめでたい。伝 の会もオープンパーティのときに呼んでいただき(青?裸々な日々4月2日分参照)、す っかり気に入った空間。是非行ってみてください。JR日暮里駅、南口から徒歩1~2分。 電話03-5850-8033。

 床山の谷川秀雄さんは、主に前進座のお仕事をしている方で、最近、「髪とかんざし館」 というミニギャラリーをオープンした。一階が企画スペースで、今は「助六」展。五代目 河原崎国太郎演じる揚巻に、並び傾城、振袖新造、禿、遣り手の5点の髪形を展示。二階 は常設展「江戸後期から明治・大正・昭和へかけての櫛各種」で谷川さんが個人で集めた べっ甲や蒔絵の櫛、こうがいとか200点が展示されている。すごいっス。入館料はコーヒ ー付きで700円、学生500円。場所は西武池袋線の江古田駅北口から数分のとこ。電 話03-3557-7554。行ってみよー。なんかCMみたいな日記だな。

抽選で幸運にも選ばれたお客様と楽しい時間を過ごすことが出来た。ちょこちょこと、こ こで企画ものができたら良いな。

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