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邦さんの旅日記

第4号

京都南座公演編

by杵屋邦寿


邦寿と京都

 1月2日、朝東京駅に着く、ホームに行くと長唄さん達と鉄九郎が新幹線の来るのを待っていました。出発までまだ10分程あるので「いくぞ!」と言って唄方さんに荷物を見ててもらい、鉄九郎と立ち喰いそば屋さんへ、最後の東京の味を食べに行くのです。〔それは早いので、今度一回見せますネ〕新幹線に乗って車窓を眺め、長唄のテープを聴きながらウトウト。元日のおとそが少々残っていたらしいのです!「エッ。どれくらい飲んだかって」お店に迷惑がかかるといけないので、それは秘密です、ナンチャツテ!とにかく京都に着いた時には目出たく元気になっておりました。そのまま夕クシーで四条にある南座へ直行です。

 まずは楽屋作り、どこに誰が座って、どこに何を置くか。簡単なようですが約1ヵ月そこで生活する事を考えての采配はなかなか熟練を要するのです。ところが長唄と三味線の部屋が同じで、すると全員で八人という事になり、とても狭いので、理由を言って地下に一部屋、無理を言って作ってもらいました。というのは、私と鉄九郎は昼と夜の公演の間(約1時間半)20〜30分でも昼寝をしないと身体が壊れてしまうからなのです。なぜって?後でわかります。

 関西の三味線方の今藤佐志郎さんと今藤佐敏郎さんが助っ人に来てくれて、挨拶も済んで夕方からいよいよ本番通りの舞台稽古です。僕が破門になった先生も客席で観ている。関西の鳴物さん方も大勢いるのでピリピリとした緊張感につつまれます。そしてチョーン、チョーンと幕が明く。気持にゆとりが無いのでノリ(三味線を弾くテンポの事)が思うように決まらない、でもまァなんとか体力と集中力で無事幕となり、大きなダメ出し(演出、役者からの注文ですネ)もなく、舞台稽古としては大成功、楽屋に帰り着替えをして10時項、ホテルに荷物を置いて軽く食事にでも行こうと町に出る。

九『最近は2日でも店はやってるネ〜』
邦『ほんとだよなァ、俺が初めて来た頃は、初七日、じゃない七草まではし−んとしていたもんなァ、助かるよ』
九『アッあそこにラーメン屋だ、ラーメンでもしょうかネ』
邦『あのなァラーメン屋には、よせ鍋も、あげだし豆腐もないだろう、それに今年最初の伝の会幹部会がラ−メン屋じゃまずいだう』
九『なんだよ結局飲み屋やかよ・・・明日初日で十時から南座ロビ−に集まんだからね』
邦『コラッそこでなにブツブツ言ってんだ。ここにしょう・・・ここなら安心しておちついて話せそうだ』
九『・・・5時〜5時年中無休!。ほんとかよ・・』
邦『とりあえず生3個と、あげ出し、よせ鍋それから、・・・・・』
その後は
九『ブツブツ・・ペラぺラ・・カクカク・・シカジカ・・』
邦『モグモグ・・バクバク・・ガブガブ・・ジャ−ジャ−』失礼!

 でもまァ次の日いやいやその日はもう初日だという事で、2時頃には店を出てホテルに帰 りシャワーに入って、後はぐっすり、でも8時にはちゃんと起きてまた熱いシャワ−に入 って9時半に出発。楽屋に入って掃除をして初日を待つ。
 このような日程がほぼ連日続くのでありますから、寝不足になるわけでありまして しかるに、昼寝が必要になるというお話しでございました。


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