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邦さんの連載小説 『火星人物語』

#6 −ママコー編−

いじめられッ子・パシリ・家来という名を一手に受け持っていたのがママコーと呼ばれていた男です。
少し色黒で小太り、油ギトギトのチリチリ髪どう贔屓目に見ても清潔感という言葉は当てはまらない、 運動神経も極端に無く!大抵の女子生徒にも腕相撲で負けてしまうという奴です。
ところが町を歩いている時、新宿、中野、高田馬場などですが ツッパッテる奴を見るとヒョコヒョコ行って 「テメーツッパテんじゃね〜よ!コラ」っと吹っかけるわけです。向うが「スイマセン!」と引いてしまえば いいんですが、「なに?わりゃ〜!」となればママコーは見事なほどカラッキシですから。逆に直ぐあやまって しまうんです。学校に居るときは泥だらけのだらしない少し長めの学ラン、ボンタン、一際汚いスリッパ化した 上履きをつっかけて!ビクビクしながら我が物顔で廊下を歩いてたりします。
が!
ママコーの普段の役目と言うのは、授業中にいかされます・・・2時間目か3時間目または6時間目です。
命令するのは大抵 ユーボーです。学科の授業開始10〜15分した頃に始まります。
ユー「ママ・・パン買ってこい」
ママ「かんべんしてくださいよ・・!」
ユー「アッそうか!いいよ・・しらね〜ぞ?いいんだな?」
ママ「わかりました・・すいません!」 即座に仲間2〜3人からメモとお金が回ってくる。 コーラ・・ガム・・カレーパン・・セブンスター・・ショートホープ等です。するとママコーが
ママ「先生〜!お腹が痛いんですが、我慢できないんでトイレに行っていいですか?」
廊下に出ますとママコーは同学年6クラスの教室横を一気にバタバタと走り抜けるんです。すると各クラスの仲間が ママコーが買い物だな!!と理解してメモとお金が各教室の最後尾廊下側の生徒に渡されます。例えそこが女生徒で あっても協力してくれます。1〜2分後にそ〜と扉にママコーが取りに来て、数分後同じ扉に品物が袋に入って 届けられる事になっておりました。何故かこういう事をやらせると意外とキビンナ働きをするんです。ですから ママコーに暴力を振るうというような事はしませんでした。
でもそう思っているのは9人〜12人の悪連中だけかもしれません。ママコーは何時も泥だらけでしたから!

そんなママコーがある時 中野のブロードウェイに友達と行ってカツアゲにあってしまい、その上顔に青タンを作って 帰って来たんです。
これには普段自分達がしているにも関わらずテルオ・タミオ・ユーボー・が激怒しまして、ママコーを連れて何度も 中野に行き、数週間後ついにそいつ等を見つけてボコボコにしてしまいました。それからですね他の中学校との抗争が 盛んになって行きましたのは。
ところがこの落○中学というのはチームワークと言うか?団結力と言うか?強かったですね・・中でも特にテルオは 飛び抜けていました。
テルオは中2の夏頃 校舎裏に3年生から呼びつけられ4人に囲まれてやられる筈だったんですが。3年の悪たれ頭を 集中的にボコボコにして「もう勘弁してくれ・・!」と4人に言わせてしまっちゃった奴なんです。体質的に殴られても、 蹴られても効かないんですね!本当にマイクタイソンみたいな奴でした、ですからその後中学校は断然2年の天下と なってしまい、プール横のトイレも2年生しか入れなくなっていました。

秋も終わり頃放課後でした・・校庭にヨウラン・リーゼント・という連中が100人程ゾロゾロ入って来たんです。 「テルオを出せ・・!」っと。外で真面目にサッカーをしていた我々との睨み合い、テルオがすでにターボーの家へ 行った後だったので伝令が飛んでいる中 ユーボーが100人の輪の中程まで入って行き大きな声で
「君達!困るな〜!いきなりそんな学ランを背負って入ってこられちゃ!僕の真面目な友達が怖がってるじゃないか・・!」
あのチリチリで短いオールバックの髪、エラの張った凄い強面のユーボーの何処に「僕の真面目な友達・・」と言う台詞が あったのかは未だに信じられない事の一つです。
兎に角このままではセンコーという名の大人がマッポという団体に電話をしているはずなので、近くの広い境内がある神社へ 連れて行きました。100人といってもイザと言う時にやるのは2割とみてたし、今日は脅しだけと誰もが感じていたんです。 神社での話で翌週の??日午後に西武新宿線沿いにある大きな公園で再度会うことにしました。その後またゾロゾロ連中は 帰って行きましたが、僕らが学校に戻るまで3年の悪連中は誰も下校出来なかったらしく、教室で様子を伺っていた事を チクラレ面目丸つぶれ!その後先生に反抗してた奴ら殆んどが髪型を変えて受験に向かっているという・・素振をしていましたね。

約束の日・・此方は早くから公園の奥に準備しておりました。夕方前のような時間だと思いますが、向うは前回よりも少し 少なめ60〜70人位でした、此方は1年生の元気な後輩を入れて15人程でしたが自信満々でしたね!そして相手方がほぼ 見えて来た時に一発かましたんです!手製の爆竹を。
と言ってもただの爆竹では無くて、その頃ジューシーというお菓子があり、その入れ物に4束の爆竹を一本一本ほどいて 取り出した火薬を詰め新聞紙とガムテープで固めた 小型ダイナマイト!ショウナマイト!風な奴なんですが。 兎に角公園の土が深さ3センチ直径70センチ位の窪みが出来た程の威力でした。(火星人作成の品) バン!とか パン!というような音ではなく正しくドカ〜ン!っという音でした。そしてそれをもう1本手に持って 迎えたわけですが。
結局相手は3つの学校の連合軍でできていた為、統率力も無く端から一戦交える気合も無かった様子。その上ドカ〜ンの洗礼を 受けておとなしい口調で会話を求めて来ました。タミオ・ショウイチ・ミノル・マーボーらの嵩にかかった罵声・口調に 反抗しない連合軍!テルオ・ターボー・火星人が向うの話を聞いてみると、そもそもの始めはママコーが中野のブロードウェーで 真面目そうな男子生徒を捕まえてカツアゲしていてみたいで、そこに同校のツッパリが来て逆にカツアゲされて殴られた! という事で、結局ママコーとそのツッパリに握手をさせて和解という事になりました。

でもその時!テレビみたいですがファンファンファン・・数台のパトカーのサイレンが鳴って来て。不穏な学生服の集まりを見て 近所の人が通報したみたい。一斉に逃げ出しました、金網を越えて線路を渡って!丁度良く上り急行電車が来て急停車・・・ けが人は出ずに済みましたが、3〜4人捕まってしまいました。連合の奴とママコーです。次の日の新聞にも
「西武新宿線の線路を区内の中学生が数十人で横断・・上り急行電車が急停車幸い学生・乗客にけが人は無く・・・」という様な。
イヤ久し振りに怒られましたね!

火星人達はそんな連中でしたが、他の生徒を傷つけたりとか、学校の機材を破損させるとか、盗み等はしなかったので、 先生に怒られるというような事は滅多に無かったんです。でもその日は数人の父母と主犯格12人と(1年生の事は誰も言わなかったので) 校長室と戸塚の番屋をはしごしてしまいました。番屋で聞いた話によると通報は不穏な学生服連中では無く… ショウナマイトの音だったそうです。これを現代でやったら大変な事になってしまっているでしょうね。 もう1本のショウナマイトは番屋に没収されて関心されるやら!呆れられるやら!でした。その後もママコーはより一層 こき使われるようになりました。
そして我々も冬を越し明るく楽しく春を迎え最終学年の3年生に成りました。

【やることが段々悪質になって行きますが・・これはまだその地域が飢えと貧困に包まれいた時の話です】


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